南禅寺(京都)
?評価について

京都 南禅寺
絶景の山門と心安らぐ庭園、
「湯豆腐」の名店も!

京都市左京区に位置する南禅寺は、数ある寺院の中でも最も格式が高く、別格扱いの寺院です。歴史的な建造物や美しい庭園などが多く、京都を代表する観光スポットとなっています。特に、桜や紅葉の季節は人気が高く、日本国内はもちろん、海外からも多くの観光客が訪れているほどです。

この記事では、南禅寺の歴史や見どころ・アクセス情報から周辺の湯豆腐グルメ情報まで、観光に役立つさまざまな情報をお伝えします。

日本最初の勅願禅寺
南禅寺の歴史

新緑の南禅寺(南禅寺)

新緑の南禅寺

南禅寺の歴史は実に700年以上前にまで遡ります。ここでは、どのようにして南禅寺が建立されたのかを見ていきましょう。

古くから福地として知られていた

現在、南禅寺が建っている場所は古くから福地として知られていた土地です。南禅寺建立以前には、三井寺(園城寺)の別院・最勝光院(さいしょうこういん)が建っていました。この最勝光院が年月とともに荒廃し、跡地に建てられたのが南禅寺の元となる禅林寺殿(ぜんりんじどの)です。

もともとは離宮として建てられた

南禅寺の元となる禅林寺殿は、1264年に後嵯峨天皇が母の大宮御所として建てた離宮です。禅林寺殿には「上の御所」と「下の御所」があり、当時「上の御所」に建設されていた南禅院が、現存する南禅寺の別院、南禅院の前身となります。

1291年に禅寺となる

秋の法堂(南禅寺)

紅葉で朱色に染まる法堂

離宮であった禅林寺殿が禅寺となったのは1291年です。伝承によると、禅林寺殿にはこのころ妖怪が出没し、時の法皇・亀山法皇を悩ませていました。この妖怪を追い払ったのが東福寺の無関普門禅師という僧侶です。このことにより、亀山法皇は無関普門禅師の徳を讃え、開山として迎え入れ禅林寺殿を龍安山禅林禅寺に改めました。天皇の発願によって建てられた寺院としては日本で初めてのものとなります。

1308年、南禅寺に改名

龍安山禅林禅寺が南禅寺と呼ばれ始めたのは1308年ごろからです。龍安山禅林禅寺を創建してすぐに無関普門禅師が亡くなり、そのあとを引き継いだ南院国師によって伽藍が整えられました。このことから、後宇多天皇が南院国師の「南」をとって太平興国南禅禅寺と名が付き、南禅寺と呼ばれるようになったといわれています。

現在の法堂は明治42年に再建された

南禅寺は度重なる火災にあっており、当時の姿はほとんど残っていません。創建当時のもは応仁・文明の乱によって焼失。その後1606年に豊臣秀頼によって大改築されたものの、明治26年に再び火災で焼失してしまいます。現存する南禅寺の法堂は明治42年に再建されたものです。

南禅寺の伽藍を
分かりやすく徹底解説!

南禅寺の見所といえばなんといっても国宝や重要文化財に指定された伽藍や水路閣といった歴史的建築物でしょう。伽藍とは寺院の建物群のことです。ここでは代表的な伽藍や建築物を入り口から順番に紹介します。

勅使門

南禅寺 勅使門

普段は閉じられている勅使門

勅使門(ちょくしもん)は1641年に明正天皇の御所にあった日の御門を移したもので、重要文化材にも指定されています。もともと天皇や勅使の来山に限って開かれる門で、現在も一般には通行することができません。ただし、新たに住職が就任する晋山(しんざん)式など、お寺の特別行事が開催される際には、開かれることもあります。

三門

南禅寺 三門

その大きさに圧倒される三門

三門は、別名、天龍門とも呼ばれており、南禅寺歌舞伎演目『楼門五三桐(さんもんごさんのきり)』で石川五右衛門が言った名台詞「絶景かな絶景かな」の舞台としても有名です。2階は五鳳楼と呼ばれ、一般の方も入場できます。五鳳楼からは境内全体を見渡すことができ、特に桜や紅葉の時期は絶景です。日本三大門の一つとして数えられており、明治32年に国の重要文化財に指定されています。

南禅寺三門 詳細・アクセス情報

法堂

南禅寺 法堂

明治時代に再建された法堂

創建当時の法堂(はっとう)は火事で焼失しており、現在の法堂は1909年に再建されたものです。南禅寺の中心的建物で、内部には釈迦如来・文殊菩薩・普賢菩薩の三尊像が祀られています。天井に描かれている雲龍図は日本画家・今尾景年による大作です。法堂の中には入ることができませんが、外から天井を覗くことができます。

方丈

南禅寺 方丈

方丈から方丈庭園を臨む

国宝にも認定されている建築物で、もともと別々の建物であった大方丈(おおほうじょう)と小方丈(こほうじょう)を組み合わせて一つにしたものです。大方丈は天正年間建設の御所、小方丈は伏見城殿舎を移築したものとされています。大方丈の内部は桃山時代前期の狩野派絵師が描いた襖絵で彩られており圧巻です。この襖絵は重要文化材にも指定されており、劣化や破損などから守るため、現在公開されているものの一部はデジタル技術で再現されたものとなっています。

本坊

南禅寺 本坊

抹茶が楽しめる本坊

本坊(ほうぼう)は僧侶の居住する場所となっており、台所としての役割も担っています。鮮やかな白い壁と黒々とした木材のコントラストが絶妙です。内部は天井のない吹き抜け造りとなっており、正面には韋駄天が祀られています。玄関を入ってすぐ右側にある滝の間では抹茶と落雁が提供されており、落ち着いた雰囲気で四季折々の風情を堪能できるのもポイントです。

方丈庭園

南禅寺 方丈庭園

江戸時代初期の代表的枯山水庭園 大方丈庭園

方丈庭園(ほうじょうていえん)は、安土桃山時代から江戸時代初期にかけての大名で茶人・作庭の名人としても知られる小堀遠州によるものと伝えられています。虎の子渡しと呼ばれる枯山水庭園で、江戸時代初期を代表する庭園の一つです。昭和26年には国の名勝庭園に指定されています。

小方丈庭園

南禅寺 小方丈庭園

「心」字形に庭石を配した小方丈庭園

小方丈庭園(こほうじょうていえん)は、1966年に小方丈の西側に作られた落ち着いた雰囲気の庭園です。心の形に石が配置された枯山水庭園で、別名を如心庭(にょしんてい)といいます。当時、南禅寺の管長を務めていた柴山全慶が「心を表現せよ」と熱心に指導して作庭したということです。

水路閣

南禅寺 水路閣

近代化遺産に指定されている水路閣

水路閣(すいろかく)は、明治23年、琵琶湖の湖水を京都の街へと運ぶための水路橋として造られました。古代ローマの水道橋を参考に設計されており、橋の下部分が美しいアーチ型になっているのが特長です。建設当時は寺院とのミスマッチを指摘され、かの福沢諭吉も反対を表明していたといいます。しかし、現在では土木技術史上極めて貴重な建造物という評価を受けており、昭和58年7月1日、日本を代表する近代化遺産として国の史跡に指定されました。

水路閣 詳細・アクセス情報

南禅寺に行くなら
絶対に見ておきたい塔頭

南禅寺は、塔頭(たっちゅう)が多く建ち並んでいることでも知られています。塔頭(たっちゅう)とは寺を開いた僧侶や住職などを祀って建てられた建物のことです。代表的なものをいくつか紹介しましょう。

金地院

南禅寺 金地院

金地院の鶴亀の庭

金地院(こんちいん)は、勅使門の手前右側に位置する塔頭(たっちゅう)です。もともと足利4代将軍義持が北山に創建した禅寺でしたが、荒廃してしまったため、3世の以心崇伝(いしんすうでん)が徳川家康に頼んで南禅寺の塔頭として再建しました。本堂や八窓席(はっそうのせき)茶室・東照宮は重要文化財にも指定されています。また、小堀遠州が作庭し国の特別名勝に指定された『鶴亀の庭』があることでも有名です。

金地院 詳細・アクセス情報

天授庵

南禅寺 天授庵

紅葉の季節にはぜひ訪れたい天授庵

天授庵(てんじゅあん)は南禅寺の塔頭(たっちゅう)の一つで、南禅寺を開山した無関普門禅師を祀るために建築されました。応仁の乱によって一度消失しており、現存するものは1602年に細川幽斎によって再建されたものです。内部は桃山時代を代表する絵師・長谷川等伯による襖絵で飾られています。方丈前庭と書院南庭、二つの庭園があり、季節によってさまざまな彩りを堪能できることもポイントです。紅葉の名所としても知られており、秋には紅葉のライトアップが行なわれます。

天授庵 詳細・アクセス情報

南禅院

南禅寺 南禅院

京都三名勝史跡庭園に指定されている南禅院の庭園

南禅院は南禅寺発祥の地としても知られている寺院です。門前には水路閣が通っています。たびたび火災にあっており、現在の建物は1703年に再建されたものです。夢窓疎石(むそうそせき)が作庭したと伝わる池泉回遊式庭園があり、国の史跡および名勝に指定されています。

南禅院 詳細・アクセス情報

南禅寺周辺の
おすすめグルメスポット

南禅寺は、湯豆腐発祥の地としても知られています。南禅寺は最も格式が高い禅寺で、厳しい戒律がありました。そんな中、肉を使わないくてもおいしく食べることの料理として考えられたのが湯豆腐です。ここでは、南禅寺周辺にある湯豆腐の名店をいくつか紹介します。

南禅寺 順正

順正(南禅寺)

ゆどうふ・京会席 順正

名物の湯豆腐をはじめ、旬の食材を使った本格的な京料理を楽しむことができます。その時期の味覚を生かすため、1ヶ月ごとに食事のメニューを変えるというこだわりようです。敷地内に国の有形文化財に登録されている順正書院や日本庭園があり、食後には敷地内の散策を楽しむことができるのも魅力です。

アクセス情報
住所:京都府京都市左京区南禅寺門前
電話番号:075-761-2311
営業時間:11時〜21時30分(ラストオーダー20時)
定休日:不定休

奥丹 南禅寺店

奥丹(南禅寺)

総本家 ゆどうふ 奥丹

創業以来370年以上続く湯豆腐の老舗です。にがりで固める昔ながらの製法で作られており、固めで濃厚な味わいを堪能できます。メニューはなんと「湯豆腐一通り」というコース料理のみ。胡麻豆腐や木の芽田楽など、伝統の味を楽しめます。

アクセス情報
住所:京都府京都市左京区南禅寺福地町86-30
電話番号:075-771-8709
営業時間:11時〜16時
定休日:木曜日

八千代

八千代(南禅寺)

京料理 八千代

安土桃山時代に御所に出入りしていた魚問屋として始まり、400年以上前から料亭として栄えている名店です。南禅寺の参道に入ってすぐの場所にあり、日本を代表する近代造園家・小川治兵衛による庭園を眺めながら食事を楽しむことができます。豆腐はその日の朝にできた作りたてのものを使用。利尻昆布のみというシンプルな味付けで、豆腐そのものの味を堪能できます。

アクセス情報
住所:京都府京都市左京区南禅寺福地町35
電話番号:075-771-4148
営業時間:11時〜16時・17時〜21時

南禅寺の口コミを
チェックしておこう!

南禅寺を訪問する前に実際に行った人の感想を聞いて参考にしたいという方も多いでしょう。そこで、南禅寺訪問者の口コミを見ることのできるサイトを紹介します。

トリップアドバイザー 南禅寺
旅行に関するさまざまな口コミを集めたサイトです。南禅寺についての口コミを1,200件以上見ることができます。

4travel.jp 南禅寺
日本最大級の旅行口コミサイト、フォートラベルの南禅寺ページです。口コミ260件以上・写真590点以上・140件の旅行記が掲載されています。

じゃらんnet 南禅寺
日本最大級の宿・ホテルサイトとして知られる『じゃらんnet』の南禅寺ページです。南禅寺に行った人の口コミが370件以上・写真が106点掲載されています。

南禅寺に関する
お役立ちリンク集

臨済宗大本山 南禅寺

京都観光Navi

トラベルjp 南禅寺の紅葉情報

南禅寺
まとめ

いかがでしたか? この記事では、南禅寺の歴史や背景・見所ポイントなどを紹介しました。近年、パワースポット巡りがブームとなっていることもあり、南禅寺には多くの方が訪れています。歴史的な建造物はもちろん、四季によってさまざまな表情を見ることができるのも魅力です。ぜひ、今から秋に向けて計画を立ててみてください。

南禅寺
アクセス情報

住所:京都府京都市左京区南禅寺福地町
電話番号:075-771-0365
拝観時間:12月1日〜2月28日 8時40分〜16時30分 / 3月1日〜11月30日 8時40分〜17時
拝観志納金:方丈庭園 一般500円・高校生400円・小中学生300円 / 三門 一般500円・高校生400円・小中学生300円 / 南禅院 一般300円・高校生250円・小中学生150円
交通案内:市バス5系統、法勝寺町下車、徒歩10分

南禅寺

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